暇も出来てきた50から60代。
まだ家にこもるような歳ではない。
どこかに行きたくても車はない。
予定が合うそんな友達も見当たらない。
なら、一人で出かけてみようかな。
と思うがなかなか二の足を踏むお年頃。
なら、「奈良」はどうだろう。(親父ギャグではない)
長年観光PRをしてきた私、関西在住そこそこのお年頃。
持っている知識を掘り起こし、
気軽なおでかけ「こでかけ」を 楽しんでもらうため、
あれこれおすすめしていきます(ヨロシク!)
2022.6 奈良県明日香村にて撮影
1「わたしは、電車派。」で行きましょう
「車で行った方が楽?」
いや、電車旅はいろいろ楽ちん。
関西でも車でないと行きづらい場所がある。
特に紅葉など山の中の見事な景色を見たいならそうかも知れない。
でも、車に乗らない人、自分で運転しない人の割合は多い。事故も起こしたくない。
渋滞もいや。運転できる人へ頼むのも面倒臭い。
そこで、『電車でも、意外に簡単に行ける場所』。
交通機関がそこそこ発達している関西、使わない手はない。
「わたしは、奈良派。」ならぬ
「わたしは、電車派。」
行き方、乗り継ぎ方法、はスマホで少し検索すれば
イマドキは、簡単にgoogleさんやYahooさんが
現在地から、その最寄駅、目的地への徒歩時間までも教えてくれる。
全て一人で完結できる。誰に聞かなくてもいい。
しかも歩く速度「早く」「ゆっくり」「普通」まで選択できる。いい時代になった。
電車内で本を読んだり、車窓に見入る事ができたり。
少し歩いて健康になったり、しんどくなったら自由に休憩。
その土地で地元の人に、人懐こく色々聞けるようになったのも、歳をとったからこそ。
2 歴史や自然やグルメ、 目的があると出かけやすい
「目的」は大層なものではなく、少しの満足でいい。
「目的」さえあれば、おひとり旅でも、然程人目が気になったりしない。
例えば
●あのお寺へ「推し」の仏像を見に。
●あの場所の「綺麗な夕焼け」を見に。
●あのお寺に季節の花が咲いてる。花の命は短い!
●少し離れた老舗に「5月限定の草餅」をわざわざ買いに。
それは気持ちのプチ贅沢。
ひとりだからこそ自分だけの小さな希望を叶えに。
この年齢なんだし、そんな時ぐらい周りを気にせず自分の欲望を楽しみたい。
歳をとってて良かった事のひとつに「周りを気にしなくなる」事もある。
3 明日香へ、 大人の「おひとり」遠足
格好の場所が奈良。
その中でも、歴史好き、花好き、自然が好き、美味しいスイーツ好き、
でもたまには歩かなければ!と危機感も持つ女性におすすめの明日香村。
日本のはじまりの地。
観光客もまだそこまで多くなく、
自由な気持ちで旅を楽しめる場所。
電車では
大阪阿部野橋から飛鳥駅まで、近鉄電車で急行なら約50分。ボ〜ッとするには丁度いい移動時間。
京都からなら橿原神宮前駅で近鉄吉野線に乗り換え、飛鳥駅まで5分程度。
地図では「明日香」だが、駅は「飛鳥」ご注意を。
あちこち名所があり
コンパクトにまとまってる明日香村。
駅前から村内をまわるバスに乗り目的地に向かうのも良いけれど、
時間が合わないこともある。
利便性を考えると
駅前でママチャリか電動自転車を借りるのも良き。
村内をすいすい回れ本当にらくちん。
村内の地図もいただける。
歩くのであれば、2、3か所、行き先をある程度決めていこう。
たとえば駅から「石舞台古墳」まで徒歩45分弱。
https://maps.app.goo.gl/SYwHKdYkAYr7QP9S6
そこから途中3箇所ほど寄り道しながら飛鳥駅まで帰ってくるコース。
「日本の始まり」なだけあって「日本最古」なものがやたら多い。
その中でも「日本最初のやくよけ霊場・西国第七番 岡寺」はおさえておこう。
「花の寺」としても有名で由緒正しいこのお寺。
寺内はカラフルで、いわゆる「映える写真スポット」多数。
大人気のダリアの池や
小さいお地蔵さんと花の組み合わせや
チャーミングすぎる風景があちこちに。
秋には「紅葉のトンネル」も見事。
お守りもオリジナリティ満載、厄落としの絵馬は笑える。。なるほど、、のお守り。
ネタバレはここでは差し控えておきます。
事前に岡寺の公式インスタもおすすめ。
僧侶ご自身が写真を撮られているらしい。かなり写真がお上手!
ご朱印所の横で密かに販売されている
厄除けスイーツぜんざいもお忘れなく。
帰宅後の楽しみに購入しておきたい。
岡寺から20分程歩いて
聖徳太子が生まれたとされる橘寺にも立ち寄りたい。
落ち着いた境内に居るだけで心が穏やかになる。
特に秋はおすすめ。
稲穂に囲まれた橘寺境内にある大きな銀杏は、それだけでも毎年訪れる値打ちあり。
ご朱印もいただき、気持ちが満足した後は
周囲に点在するカフェめぐり。
ここ明日香村は、
地元の果物や野菜を使用したランチやスイーツを出す
小洒落たカフェ天国。
酒蔵を改造した超人気店「明日香村caféことだま」を初めとして
岡寺の鳥居横の「La ville ~都~」の季節のスイーツ。
万葉文化館内の「カリオン」のいちごカレーなど、見惚れてしまうメニュー揃い。
「あすかルビーパフェと自分」「明日香野菜ランチと自分」の世界。
他人の入り込む余地なし。
ふわふわで冷たすぎない大人気のかき氷や、
骨董も扱う「himorogi.asuka – 暮らしの道具 +茶屋 ひもろぎ」もおすすめ。
古民家の店内はやや年代も高いイメージで落ち着ける。
スイーツではなく伝統食が食べたければ
これまた近所の「めんどや」さんで明日香鍋を。
話しやすいお母さんがお店を仕切っておられ、滞在しやすい。
お鍋はミルク色のお鍋で胃に優しい味。ぺろりと食べてしまえる。
ここはブラタモリにも出てきたお店で
お鍋以外にも色々ある人気店。
冬の期間限定で、石舞台隣の農村レストランでも
「古代米」とともに、おひとり「飛鳥鍋ランチ」が食べられる。
飛鳥鍋ランチは、ちょうど一人分の量で提供され、お腹にもいい感じ。
カフェとのハシゴなど、このお年頃の胃腸には厳しい。
予約した方が良い店もあり、事前にリサーチしてここぞと決めて訪れたい。
駅前では「明日香の夢市」なる
地元野菜もお土産も売っている施設への寄り道もおすすめ。
ちょい変わった野菜や、
冬場のぶっとすぎるねぎ、など焼いて食べたい欲望が湧き起こる。
電車で恥ずかしくない程度に買い込み、家に帰ってからも楽しもう。
適度に疲れて、夜はぐっすり。
明日香村は「おひとり」で「こでかけ」体験に適した場所と言えるだろう。
自転車でも、歩いても、
のどかな風景の中を深呼吸しながら、過ごす事ができる。
空が広く、青く、心からの解放感。
奈良時代からの歴史に比べたら、自分の60年程度、小さいものに感じてしまう。
4 クラシカルな電車で吉野へ。桜がなくてもオンシーズン
もう少しだけ遠くへという方には
同じ路線の吉野がおすすめ。
吉野といえば「桜」。日本が誇る美しい村。
桜のシーズンは綺麗だけれど余りに人が多すぎる。
実は、吉野は他の季節もオンシーズン。
夏は見事な山の緑、温度が低く過ごしやすい。
秋は紅葉、これまた見事。
あれだけ樹木があるのだから、それはそうだろう。
観桜期以外は、吉野神宮から奥千本までバスは土日のみ運行。
ロープウェイ吉野山駅から高城山展望台へ徒歩1時間20分、とあるが坂道もあり時間の余裕を見て、一度は訪れたい。
「吉野山!」感が味わえる場所でもある。
冬は、これまた雪でも降ろうものなら非日常すぎる風景、まさに修験道の聖地。
義経が隠れた場所、西行が1人で棲んでいた場所、という印象もあるせいか
ひとりで訪れるのに相応しい里感がある。空気が凛としている。
実際、色々な人がお忍びで隠れていたと聞く。
世界遺産の金峯山寺(きんぷせんじ)、後醍醐天皇・義経ゆかりの吉水神社、
後醍醐天皇を偲んで明治天皇が建立した吉野神宮など
堂々たる社寺がこの山に構えている。
そのほかにも、首から上の神様・脳天大神は受験の神様。
病気にもご利益がありそうだ。
安産の神様や歯の神様もあり、
誰かのためにお詣りにも良き。
電車では
明日香と同じ、近鉄大阪阿部野橋駅から乗車、終点の吉野駅まで。
ちなみに大阪阿部野橋駅は、この間まで日本一の高さの商業施設だったあべのハルカスに直結。
吉野駅までのおすすめは
近鉄の観光特急「青の交響曲」。
ラッタタッタ♪心躍る出発サウンドを聞きながら乗車、
この特急、見た目も中身もヨーロッパ的なクラシカル。
しかも特急料金は730円(2024年6月現在)。
旅レベルがぐっとあがる電車、
ここは乗っておくべき。
「おひとり」で「こでかけ」たるもの、ワクワク要素も組み込もう。
阿部野橋駅から吉野駅まで1日二往復、発車時間に気をつけたい。
座席も少なく土日は予約必須。だけど、平日なら
すっと乗れる可能性も高い。特に冬は空いている。
この特急のありがたい所は、四人席・二人席の他に、ゆったりした一人席もあること。
吉野まで乗車時間1時間20分、軽食を食べられるラウンジもある。
沿線の名店とコラボされた車内メニューも数が多く目移りする。
自分の席でも食べてもよし、おひとりさまにはありがたい。
おすすめは、春夏秋冬・季節ごとに変わる
一流ホテルのパティシエが考案したケーキセット。
いやにお金がかかっている割にお安い特急料金。
あまり儲ける気がないのか?
ゆったりシートに身を任せ、あっという間に吉野駅に到着。
吉野での過ごし方はそれぞれだけれど
ここはただの田舎ではない。
誇り高き南朝の隠れ里、歴史好きなら一度は訪れたい里。
そんな重い歴史の中、いろいろなお宿やお店で「2代目」が頑張る里。
日帰りでは勿体無いが、宿泊はまた次の機会に。
歴史を感じながら、吉野葛や鮎、お蕎麦など
名水の里ならではの美味しいものも食べお土産も買い、
早めに帰宅して余韻に浸るのが「こでかけ」としてはおすすめ。
5 奈良に似合うおしゃれで、 旅気分を盛りあげよう
このお年頃の女性の、こでかけ服。
季節に合わせた歩きやすい服をセレクトするのは勿論だけれど
それだけじゃ楽しくない。
奈良時代の影響か意外にカラフルな奈良に似合う、
少し渋めの中にもビビッドな差し色を入れたコーディネイトも良き。
夏なら自然のブルーやグリーン系、秋なら柿を思わせるオレンジ。
ひとりでは派手な色は、ハードルが高いけれど、
急な日差しや寒さにも役に立つ
大きめストールなら気にならない。
実用性も兼ねているもんね!てな顔で
しれっと巻いておく。
おしゃれしてる感が何となく恥ずかしい年代だけれど、この程度ならチャレンジを。
訪れる場所によっては坂道もあるので
低めヒールや厚底スリッポンなどの歩きやすく適度なおしゃれ感の靴をセレクト。
最近は、履いて歩くだけで体幹が鍛えられる靴や、中敷きもある。
一石二鳥、筆者も購入を考えている。
6 ごはんを食べる場所は事前にリサーチ、 女性一人でも安心!
奈良市内ならともかく、明日香村や吉野では必ず事前リサーチを。
閉店時間が早い店、冬は開店しない店もあり。
基本的に春の吉野以外はひとりで入りにくい店は、さほど無い。
吉野なら「青の交響曲」内で軽食もあり、
美味しいお土産を自宅で楽しむのも良き。
食事の取り方が自由なのも、
おひとりならでは。
小腹を満たすバーなども持参しておくのもおすすめ。
7 写真を撮るのが楽しい奈良! 趣味にしてしまおう
アマチュアカメラマンが多い奈良。
それだけ見栄えする風景が多いということ。
空が広く高く夕焼けの見事なこと。
自然が豊かでカラフルな色が多いこと。
紫陽花の散歩道や、紅葉の絨毯、淡い黄緑から深い緑のグラデーションの吉野山。
秋の稲穂や、彼岸花の明日香。
パチパチ気軽に撮って、気が向けばインスタ投稿にもチャレンジ。
筆者もはじめは横目で見ていたインスタ、しかし投稿も意外に簡単で結構はまる。
いまどきのスマホのカメラ機能の素晴らしきこと、
写真を誰もが楽しめる時代に乗っかろう。
次回からの「こでかけ」もぐっと楽しくなるはず。
どんどん世界を広げていこう。
8 まとめ 人が多すぎない 「おひとり旅」向きの奈良へ
奈良は、観光客が京都・大阪ほど多すぎない。
古いものも新しいものが混ざり、良い意味で緊張しない土地。
ひと息つきたい私たち、
「おひとり」で「こでかけ」には相応しい土地。
想像より利便性も高く、旅から日常に戻りやすい。
とりあえず出かけてみようか、ぐらいの気分で
「こでかけ」してみよう。
※電車・店舗情報などは変更される可能性があります。訪問前にご確認ください。
コメント